「トイレで用を足したら跳ね返って自分についた」「便器・便座に性器が触れてしまった」このような場合、そこからなにかの性病に感染しないか心配になりますよね。
まず、性病のことを正式には「性感染症(STD)」と呼びます。
これは、基本的に性病は性行為から感染する病気。ということです。
しかし、実際には粘膜が病原体に触れる接触感染や、生まれつき性感染症を患っている母子感染など、性行為以外からの感染もあります。
つまり性行為以外のことで性病に感染することもあり、トイレの便器や便座などから性病に感染する可能性もあり得るということです。
とは言っても、普通にトイレを使用したのであれば性病をもらうことはほぼありません。
ましてや、日本国内の一般的なトイレで梅毒やHIV/エイズに感染する確率はゼロと考えても良いくらいに、滅多にないレアなケースです。
そもそもトイレを使っただけで性病になっていては、世の中が性病患者ばかりになってしまいますよね。
・「汚い便器・便座だったから不安」
このような場合であれば、性病感染を疑ってしまう気持ちも分かります。
では、実際にどのような時にトイレの便器や便座から性病に感染するのか、その原因やシチュエーションについて解説していきます。
もし「どうしても性病に感染していないか心配」なのであれば、今後の健康や精神衛生面の観点からも、早めの性病検査をおすすめします。
最近では、わざわざ病院に行ったり記録が残ってしまうという心配のいらない、気軽に匿名検査ができる性病検査キットもよく使われていますので、どうぞご活用ください。
便器からの性病感染
男性と女性では性器の構造に違いがあるため、便器からの性病感染の原因が異なります。
よってここでは、男女に分けて便器からの性病感染を解説します。
男性の便器からの性病感染
男性の場合、男性器(ペニス)が便器に接触してしまうことで性病に感染してしまう危険性があります。
特に陰茎の先にある、亀頭部や尿道口が便器と接触することで性病感染の確率が高くなります。
古めのデパートや駅にありがちな小さめのトイレや、男性器が大きめの方はこのような接触が起きやすいでしょう。
このような直に接触して性病に感染することを、接触感染といいます。
男性が便器から性病感染する例
例えば、性病の病原体(淋菌やトリコモナス原虫など)を持ったひとが、あなたの前にその便器を使用していたとします。
そのひとの男性器が便器に触れると、そこに病原体が付着します。
その後、間もなくあなたがその便器を使うときに、病原体の付いている箇所に自分の男性器を接触させてしまうと、そこから性病に感染してしまうケースがあります。
このような場合に感染が疑われる性病は、淋菌(淋病)が最も多いと考えられます。
淋菌(淋病)って?
淋菌に感染すると、排尿時や勃起時に痛みが出ます。
症状が重いと、おしっこに膿が混じったり(尿が濁る)、睾丸が腫れ上がります。
これらが発症するまで早いと感染から2日後。人によっては1ヶ月が経っても症状が表れないこともあります。
男性にとって淋菌は比較的に気付きやすい性病ですが、症状が軽かったり無自覚のこともあるため、性病でいることに気付かないケースもあります。
しかし淋菌は感染力が強いため、性行為をすると相手に感染させてしまうだけでなく、長期化すると不妊症を患うリスクもある恐ろしい性病です。
少しでも不安や心当たりがあるのであれば、性病検査をおすすめします。
女性の便器からの性病感染
女性の場合、女性器が便器に直接接触してしまうということは考え難いため、便器からの性病感染の可能性はかなり低いでしょう。
考えられるとすれば、尿はねや水はねなどの飛沫(しぶき)が性器に入ったときです。
女性が便器から性病感染する例
例えば、あなたの前の利用者が性病で、便器や水ために排泄物や膣分泌液とともに病原体を残していったとします。
その後、病原体が残ったままの便器をあなたが使用し、尿はねや水はねがあなたの性器の中に入ってしまえば、性病に感染する危険性は否定できません。
ただし、性病の病原体は体内を離れると生存率が格段と下がりますので、やはり感染するとは考えづらいのが実情です。
もしこの場合に感染する可能性があるとすれば、体内を離れても水中や湿った環境であれば1時間近く生存することができるトリコモナスに感染する可能性が一番高いでしょう。
トリコモナスって?
トリコモナス原虫という虫に感染することで引き起こされる性病。
性行為の経験がない女性や子供でも感染者がいるのが特徴的です。
この原虫に感染すると、性器から悪臭がしたり、膣や陰部のかゆみ・痛みを感じるようになります。
症状が進むと、帯下(おりもの)に白黄色の泡が混じり、強い匂いを発する。
これらの症状は、感染から約1〜3週間の潜伏期間を経て発症します。
感染の原因は、性行為やトイレ以外にも、不衛生な布や水中などからの感染例があると言われています。
なにか心当たりや不安があれば、性病検査をすることをおすすめします
便座からの性病感染
トイレの便座には男性と女性で形状や使用方法に違いがありませんので、まとめて便座からの性病感染について解説していきます。
洋式トイレの便座を使うとき、まれに便座に足を乗っけて用を足すひともいますが、一般的にはお尻を付けて座りながら用を足します。
その分、便座は便器より直接的な接触が多い箇所=接点が多いと言えます。
つまり、便器より便座の方が病原体や雑菌が体に付着する可能性が高まり、その分だけ性病に感染するリスクが増えるということです。
性器や肛門が便座に触れてしまったり、お尻に傷口がある場合はそこを経路として性感染症に罹患する確率が上がります。
便座から感染する性病
性病に感染する原因は、粘膜や体内の血液が病原体と接触することです。
この条件が満たされれば、文頭でも述べた通り、SEXなどの性行為以外でも感染することがあるということです。
例えば、便座に座る時に少しズレてしまい、性器・肛門などの粘膜やふさがっていない傷口が、便座に触れてしまったとしましょう。
もし、その便座に性病の病原体が生息していれば、粘膜や傷口を通して感染する可能性があるというワケです。
粘膜や傷口が便座に触れた場合に疑わしい性病
トリコモナスや淋病などの病原体が棲息する便座や、HIV/エイズや梅毒患者の血液・体液(精子・膣分泌液)が付いた便座を通して、あなたの粘膜や傷口と接触した場合に感染する可能性のある性病です。
性病名
- トリコモナス
- 淋病
- クラミジア
- HIV/エイズ
- 梅毒
- B型肝炎
- C型肝炎
ただし、トリコモナス以外のウイルスや細菌は人の体を離れると生命力が弱まるため、感染する確率はさほど高いとは言えません。
どうしても不安であったり、性病を放置するリスク(不妊症など)を避けたいといった場合、その問題をすべて解決できるのは性病検査をすること以外にありません。
その他トイレ全般からの性病感染
トイレという場所は必然的に性器を出すデリケートな場所であるため、必要以上に神経質になってしまうものです。
例えば、ウォシュレットやサニタリーボックス(汚物入れ)も雑菌が多い箇所です。
もっと言えば、トイレには虫がいることが多いですし、便器には尿石やカビが付着していることも多々あります。
しかし次のトイレや便器・便座を使うときの性病感染予防に注意すれば、ほぼ性病感染を気にする必要はなくなります。
トイレや便器・便座を使うときの性病感染予防
文中で何度か触れた通り、粘膜や体内の血液が病原体と接触さえすれば性感染症(STD)を患う可能性があります。
問題は、トイレにあるもの、便器、便座とあなたとの間にどのような接触があったか。ということです。
予防法
- 出来るだけ清潔なトイレを利用する
- 消毒液やウェットティッシュを持ち歩く
- しっかりと手や接触のあった箇所を洗う
一見当たり前のことですが、これらを心掛けるだけで性病の予防になり、精神衛生上よくない不安や心配などの問題も緩和されます。
それでもまだ性病に感染していないか心配であれば、プライバシーにも配慮された簡単に自分で性病の検査が出来る「性病検査キット」での検査をおすすめします。