「身近な人が性病でうつらないか不安」「性行為をしていないのに性病の症状がでた」といった場合に疑われる感染経路として、タオルや下着などの布類があやしいと考える方もいるでしょう。
耳にする噂
- 性病の人と同じタオル使って性病をもらった
- 性病の人の下着と一緒に洗濯すると感染る
- 布団やベッドのシーツから感染した
このような話しを耳にすることがあります。実際のところどうなのかと言うと、性行為以外から性感染症(STD)に感染することはあり得ます。
なぜなら性感染症は、感染の原因となるウイルスや細菌などの病原体があなたの粘膜や体内の血液に接触さえすれば感染する可能性があるからです。
つまり性行為でなくても、条件を満たせば性病に感染することがあり得るのです。
・「気付かずにうつってないか不安」
このように思う人もいるかもしれませんが、タオルや下着などの布類を感染経路として性病になることは、現実的な可能性としてはあまり高いものではありません。
その理由や、どのようなケースで感染し、どのように注意をすればよいのかを解説していきます。
性病の人と同じタオル使った場合の性病感染
タオルの使用から性病に感染する原因は、タオルに性病の病原体が生息している状態で、あなたの粘膜と接触した場合に生じます。
例えば、HIV/エイズや梅毒罹患者の血液には、それぞれHIVウイルスや梅毒の細菌がいます。
その血液が、病原体の生息している状態でタオルに付着していて、そのタオルをあなたが粘膜や傷口に接触させる行為をすれば感染する可能性が生まれるのです。
ただし、可能性が生まれるという話しであって感染確率は極めて低いと言えます。
それは血液に潜む病原体の生命力は、血液を離れると非常に弱まり、死滅しやすい性質だからです。
また、このような接触行為をすること自体、何かの事件に巻き込まれたり、非日常的な何かがないと起きることではありません。
では日常生活の中で比較的にあり得る、感染の高いタオルの使用方法とはどのようなものでしょう?
それは、お風呂用のバスタオルの共用です。
バスタオルの感染確率が高い理由
タオルと一言で言っても、さまざまな種類のタオルがあります。
お風呂用のバスタオルの他にも、トイレの手洗いタオルや汗を拭くスポーツタオル、飲食店や美容院で出てくるおしぼりもタオルです。
これらの用途以外のタオルもたくさんありますが、性病感染の確率が一番高いのはやはりお風呂用のバスタオル。
バスタオルから性病に感染する原因は、「性病の人が使ったタオルを、次にあなたが使用する」ことです。
詳細
性病の人が性器を拭いたタオルには病原体が付着し生息します。
その病原体が生息したままのタオルで、あなたが自分の性器を拭くとその病原体があなたの性器に感染り、性病に感染します。
この行為はパートナーや場所によって比較的行われる行為であるため、タオルからの性病感染の原因として一番多い理由でしょう。
バスタオルからの感染が多い性病
性病の人が使ったタオルを、あなたが使ったことで感染する確率が高い性病はトリコモナスです。
逆に言えば、トリコモナス以外の性病に感染する確率はかなり低いと言えます。
トリコモナスとは
トリコモナスとは、正式名称を膣トリコモナス症(トリコモナス膣炎)という、男女共に感染する可能性がある性病。
トリコモナスを引き起こす原因は、トリコモナス原虫という目には見えない0.1mm程の小さな虫です。
この原虫が性器や尿道を通って膣・膀胱に寄生し、さまざまな症状を引き起こします。
トリコモナスの症状
男性では尿道から尿以外の分泌物や排尿痛。女性ではおりもの異変や悪臭、かゆみや痛みがあります。
しかし男女共に症状が軽かったり無症状のこともあり、感染に気付かず放置されているケースも多い。
それにより尿道炎や不妊症などを患い重症化するリスクも伴います。
性病の人の下着と一緒に洗濯した場合の性病感染
性病の人間の下着と他の下着を一緒に洗濯することで性病に感染する可能性は100%ない。とは言えないが、限りなく低いと言えます。
その理由は洗濯をする過程と、性病の原因である病原体の特徴から考えられます。
性病の人が脱いだ下着
下着を洗濯する順序として、はじめに下着を脱ぐという行為がありますが、その下着には性病の原因となる病原体が下着に付着していることになります。
この時点で、大半の病原体は間もなく死んでしまいます。
ウイルスや細菌といった病原体は、体内・血液・体液(膣分泌液や精子)を離れた途端に生命力が弱まり死んでしまう特徴があるためです。
よほど不衛生な下着で、血液や体液が付いていたり、湿っているような状態でなければほとんど死滅しています。
まだ死んでいない性病原体とは
この状況で生き残っているのは、トリコモナスの病原体であるトリコモナス原虫という虫です。
それでも活動領域外で生きていられる時間は決して長いものではなく、活動領域を離れたトリコモナス原虫は30分もすれば死んでしまいます。
不衛生で湿った下着であればもう少し長く生存できますが、それでも1日生きているようなことはまずありません。
洗濯機の中の下着
下着に付着したトリコモナス原虫がしぶとく生き残り、洗濯機の中に下着と一緒に入ったとします。
すると、「水中を漂って他の下着にうつるのでは?」と考えてしまうかもしれません。
しかし洗濯機の中には洗剤が投入されます。洗剤には消毒や殺菌効果があるものがほとんどですので、この時点で病原体は死滅しています。
このように洗濯をする過程と性病の病原体の特徴から、性病の人の下着と一緒に洗濯しても、現実的に性病に感染する可能性はないと言ってよいでしょう。
布団やベッドシーツ、その他からの性病感染
「ホテルや旅館のベッドシーツがよごれていた」「セックスをした相手の布団が臭くて汚かった」このような場合に、布団やベッドシーツを経路として性病に感染する可能性はあるのでしょうか?
答えは、条件さえ揃えば感染の可能性はあります。
布団やベッドシーツから性病感染する条件
以下の状態の布団やベッドシーツとあなたの粘膜や傷口が直に接触することで、性病に感染する条件が揃います。
体液・血液が付着して間もない
ここまで何度も繰り返し述べている通り、性病の病原体は体内・体液(精子や膣分泌液)・血液から離れるとほとんどが間もなく死んでしまいます。
人の体を離れた体液や血液に潜んでいたとしても、一般的な環境下では長く生存できず、一日以上生きていることはあり得ません。
つまり性病の人の体液や血液が布団やベッドシーツに付着していたとしても、ある程度の時間が経過していればそこから感染することはないでしょう。
感染するとすれば、性病の人の体液や血液が付着して間もない布団やベッドを使用してあなたの粘膜や傷口がその部分に触れた場合になります。
性病の病原体が生息できる湿り気をもっている
体内を離れてある程度の時間を生きていられる病原体には、トリコモナス原虫がいます。
トリコモナス原虫は体外であったとしても、40度以下の水中や湿った環境下であれば1時間近くは活動していられると言われています。
いくら布団やシーツの見た目がキレイで清潔感があったとしても、湿っていればトリコモナス原虫が生息している可能性があるのです。
もちろん洗濯をして乾いていないのであれば、性病感染という点では問題ありません。
しかし性病罹患者が使ったあとの湿った布団やシーツに、あなたの粘膜や傷口が接触したのであれば、性病に感染する危険性は高まります。
旅館やホテルでこのような部屋にあたってしまったら、フロントにその旨を伝えて布団もしくは部屋自体を変更してもらうことも考えましょう。
タオルや下着など布類からの性病感染予防
予防法・対策
- 不衛生なものは使わない
- 湿っているものはしっかりと乾燥をさせる
- 体に触れる場合は殺菌・消毒をする
ここまで何度も述べてきたように、性病の元となる病原体たちは体から離れるとそのほとんどが死滅してしまいます。
そのため布類からの性病感染の確率は決して高いものではありません。
日常生活の中で、過剰に意識し過ぎると違うココロの病を患ってしまいます。何事もほどほどにということですね。
それであっても、どうしても自分が性病か気になってしまう方や不安がある方は、次の方法で解消することができます。
性病の不安や心配を解消する方法はただ1つ
自分が性病になっていないか、重症化してしまわないか、他人にうつしてしまう・しまったのではないか。
性病を疑い出すと、さまざま不安や思いが頭をよぎります。
すると日々の暮らしの中に影をおとし、楽しいはずの出来事も心から楽しめなくなってしまいます。
それらを解消するためには、性病の検査をすること以外に方法はありません。
ここではタオルや下着といった布類からの感染確率が一番高いトリコモナスに感染していないか、簡単に効率よく確認できる性病検査キットでの性病検査をおすすめします。
まとめて検査したい人用の性病検査キット
性病の検査をするのであれば「この機会にまとめて他の性病も検査してみよう!」と考えるひとも多くいます。
確かにそうすれば体も心もスッキリしますし、まとめて検査をすることで料金を安く抑えることもできて一石二鳥です。
「よし、まとめて検査をしよう」という方は、下のまとめて性病検査ができる検査キットを比較したページが参考になりますのでご活用ください。
もし「性病検査をするなら自分で検査する項目を選びたい!」という方は、下の性病検査キットの特徴を比較したページを参考にお選びください。